査定はココを見ている!現役査定士に聞いてみました

査定士はどこをチェックしているのか現役査定士に聞いてきました。

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中古車の査定と言われて我々が思いつくのが、車種は元より走行距離やボディーカラー、内外装のキズやへこみなどだろう。

けれども実際の査定士はどんなところを見ているのか、査定は百戦錬磨の査定士が行うため個人では知りえない。

我が家で一括査定を行った際に、終わってたまたま暇そうにしていたよくしゃべる話の合う査定士がいたので、彼から色々細かく聞く機会を得た。

また車を売る可能性は高いし、ちょうどこのサイトを作っていたこともあってネタに困っていたのでガッツリ聞いてみたところ本当にペラペラとよく喋ってくれた。

査定士はこんなところを見ていた!

査定士との会話実録

著者:「今の査定ってどこ見てたの?」

業者:「そうですね~まず距離とボディ周りの・・・」

著者:「いやそういう分かりきったところはいいからさ、もっと細かい点を教えてよ。」

業者:「は、はい、分かりました!」

とこんな感じで会話がスタート、とりあえず全部聞きだしメモした内容が下記。

走行距離

距離については多くを語る必要はないかもしれないが、当然ながら距離数は多いより少ないほうが断然いいに越したことはない。ただし参考になるポイントとして、年間平均距離数を見ているとのこと。

  • 普通自動車:10,000km
  • 軽自動車:8,000km

走行距離数を年式で割り算して出てきた距離数が年間走行距離の平均値。この基準値よりも上回っていればマイナス査定、下回っていればプラス査定になるようだ。

例1)普通車7年落ち走行距離10万キロ
走行距離年式平均走行距離
100,000km7年落ち14,285km/年
⇒基準を上回っているのでマイナス査定!
例2)軽自動車5年落ち3万キロ
走行距離年式平均走行距離
30,000km5年落ち6,000km/年
⇒基準を下回っているのでプラス査定!

ボディーカラー

ボディカラーも重要な査定項目。一般的な人気色は、ホワイト(白)、ブラック(黒)、シルバー(銀)など。

ボディーカラー人気ランキング
走行距離年式平均走行距離
1位ホワイト31%
2位ブラック19%
3位シルバー14%
4位グレー9%
5位ブルー8%
6位その他7%
7位レッド6%
8位ブラウン・ベージュ5%
9位グリーン1%
10位イエロー・ゴールド11%

ただし、これは車種によって大きく変わる。例えば分かりやすいところで言うと、フェラーリと言えば「赤」だろうか。白いフェラーリよりも断然赤いフェラーリを見る機会が多い。

例えばスバルインプレッサなら「青」こちらもイメージが青、という印象。シルバーに乗ってるオーナーも多い。赤や黒に乗っている人もいますがやはりどちらかという印象。

一概にホワイトだから高い、と言うわけではなく、その車種によって人気カラーは異なる。ただし、大体はこのランキングの順位で人気が高いのは間違いない。

外装の状態

こちらもメジャー項目。キズ、ヘコミ、エクボ、侵食、サビ、割れ、ズレ、ぶつけた跡がある場合はマイナス査定となる。細かい点として、キーの差込口の周りに差し込みそこねて小さなキズが付いていたりするのもチェックしている。

あとは修理歴があるかどうか。車検証に修理歴は記載されないが、整備手帳には修理歴が記載される。

ただし、

  • 擦ったりして板金塗装を行ったことがある
  • ドアなどぶつけて交換したことがある

これらについては事故車扱いとはならないため、修理歴のある車にはならない。

日本自動車査定協会が定める修理歴(事故車)は、「交通事故やその他の災害により、自動車の骨格等に欠陥を生じたもの、またはその修復歴のあるもの」となっている。

ただ、修理歴が整備手帳に記載されていないからといって査定士はこれらの状態を見逃さない。

ワンポイントアドバイス

傷やヘコミがあるからと言って査定前に直してもほとんど金額に影響はしない。むしろその修理代を払った分が丸々損になる可能性すらある。修理すべき箇所があってもそのまま査定に出したほうがよいとのこと。

車検の残期間

車検については「残っていれば期間にそれほど影響はない」とのこと。これは意外だった。

数ヶ月程度なら車検が残っていようが残っていまいが、それほど査定金額に大きな影響はないとのことだった。

もちろん車検が完全に切れている場合と1年以上残っている場合は多少の金額差は出るようだが、それでも出て数万円代前半とのこと。

車検費用は大体10万~20万円掛かる。でも車検を通してみると分かるが、半日とか一日がかりの場合がある。でも実際の点検時間は「たった1時間くらい」だそうだ!なんの費用なんだか…。

車検って実は大した項目を見ているわけではなく、「車検証の発行」に時間がかかっているだけらしい。

つまり、車検費用の相当額は業者があまり労をかけること無く、儲けになってると見て間違いないだろう。

確かに我が家も中古車を買ったときの整備サービスを付けた際の項目を車検項目と比べた一覧で比較された表を見せてもらった時に、整備サービスのほうが車検よりも10倍以上の検査項目があった。本来これくらいしっかり検査してほしいものだ。

ワンポイントアドバイス

車検が切れているからと言って査定前に改めて通しておく必要はない。車検残期間が短くてもたとえ切れていたとしても、そのまま査定に出してしまおう。影響は微々たるもの。車検通しただけ損をすると心得ておこう。

エンジン周り

エンジンは車の心臓部、ということでエンジンはかなり重点的に見るとのこと。査定額の中でも重要部分だ。たとえエンジンが悪くなっていたとして、傷やヘコミ同様事前に修理に出す必要はない。

我々にできることは多くはないが、エンジンルーム内をキレイにしておくことくらいだろう。それほど汚れていない場合は、絞りタオルでホコリチリ、汚れを落とす。しつこい油汚れがある場合は中性洗剤をタオルに染み込ませて拭き取る。これくらいで十分だ。あえて専用の洗剤やタオルを買ってきてまで行う必要はないとのこと。

もし事故車で完全にエンジンが動かない、大幅な損傷がある場合は査定価格はかなり低くなってしまうが、それでも一括査定に出すことで引き取り費用なし、または僅かながら買値が付く場合もあるので、諦めずに査定に出したほうが良いとのことだ。

ワンポイントアドバイス

もし調子が悪い部分を感じたり、故障しているのに黙っていたりすると、後ほど査定価格から減額処理がなされたりする場合があるので、不具合箇所の申告は必ずしておこう。

内装の状態

内装はぱっと見て目につく汚れを拭き取ったり、掃除機をかけたりする程度の準備で構わないとのこと。減点ポイントとしては下記。

  • ニオイがする:タバコ、ペット、エアコンのニオイ、キツめの芳香剤
  • シート、天井:ヘタリ、たるみ、日焼け、スレ、タバコの焦げ跡、革シートのヒビ割れなど
  • ダッシュボード:割れ、汚れ、開閉部分の破損
  • トランクルーム:汚れ、破損
  • フロアマット:汚れ、破れ

ワンポイントアドバイス

ニオイが一番の査定ポイントとなっている模様。染み込んでしまったニオイはその部分自体を交換しないと取れないが、ある程度のニオイならカーショップやアマゾンで1,000円程度のスチームタイプ除菌消臭剤が売っているので購入してもよし。
 

オプション品

オプション品は一般的には下記の順番で査定価格に影響する。

  1. メーカーオプション
  2. ディーラーオプション
  3. 社外品

ただしこれはその場合によりけり、査定士によりけりなところがあるので、一概についていれば良いというわけではない。組立時に付けるメーカーオプションのサンルーフや、純正カーナビゲーション、アルミホイールなどは査定ポイントアップ。

フロアマットやシートカバーなど後付でメーカーが付けるものがディーラーオプション。社外品はモノによりけり、その車のニーズに合っているかどうかによっても変わるので、一概に定義付けは難しいようだ。

ドレスアップパーツはほとんど査定額に影響しないとのこと(超派手な物は逆にマイナス査定にも成り得る)。

ワンポイントアドバイス

ただし、メーカー純正品を外して付けている場合は、その純正品を保管して査定の時に出すだけで査定額は変わってくるとのこと。

その他

細かい査定評価になるようですが、ほかにも下記の点をチェックしているとのこと。
タイヤの残り溝、ヘッドライト、ハンドル、アクセル、ブレーキパット、エアバッグの有無、エアコン、ETC、ワンオーナー

実際に査定を受けた人たちの口コミ

フレーム、外装、内装、エンジン、エアコンがメインでエンジンオイルやバッテリーなどは調べませんでした。

車体やマフラーのサビ、エンジン音のバラツキ、電装品、定期メンテの有無、くらいでしょうか。

「こちらからマイナスな情報はわざわざ言わなくて良いのでしょうか?」に対する返答
伝える必要はない。見抜けないのは査定士の責任。

まとめ:査定士の腕と言うよりはその会社のニーズによる影響が大

査定士はこれまで何十台、下手すれば数百台もの車を査定してきているので、それほど鑑定に差が出るわけではないようだ。

査定価格に差が出るのは、実質的にはその会社の方針や状態、運営方法、在庫の有無、ニーズの有無などによって大きく変わってくる。

業者によって、軽自動車が得意だったり、ワンボッス系を好んだり、高級車だけは破格の査定額を付けてきたりと、それぞの顧客や得意卸先によっても変わってくるため、その会社の運用状況によって差がつく。

例えば、最近参入した某カーショップの買取の場合、海外に大量に流すルートを確保しているため日本車人気の影響で他社よりも大きく査定額を付けることができる、と言っていました。

業者:「最近あの会社が来るとやりづらいんですよね~全部持ってかれてしまってる。」

まあ、オートバックスのことなのだが。

とまあ、こんなボヤキも最後に聞きつつ、やっぱり分かったことは、「少しでも高額査定を付けてもらうためには、できるだけ多くの業者に査定見積もりを取ったほうが良い」という結論に至った。

査定士さんも一括査定を使って査定をしにいくのはやりづらいし、ライバルに取られる危険性も激高だし使ってほしくない、と言っていたが、こうも言っていた。

「そりゃ使ったほうが間違いなく高く売れていきますよ。取り合いだし」

そりゃそうだ。

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