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先日某トップセールスに聞いた話の中で、今注目している車について質問したところ、「ルーミー&タンク」という返答が返ってきた。
このときのお題が「新車の値引き」についてだったため記事内ではルーミー&タンクについて触れていないが、彼がなぜルーミー&タンクに注目しているのかという理由は、どうやら単純に「売れてるから」だではなさそうだ。
業界内でも熱い視線を浴びるこのルーミー&タンク、なにが人気の要因なのか、ヒアリングを元に探ってみた。
絶対王者、コンパクトハイブリッドカーの立場が脅かされてきている
これまで新車販売台数ランキングを常に占領し続け、そして今なお上位を独占しているのがハイブリッドカー、中でもコンパクトハイブリッド。
例えば2018年の上半期(1月~6月)総売上数を見てみると、日本自動車販売協会連合会のデータでは下記のようになってる。
順位 | メーカー/車種 | 販売台数 |
---|---|---|
1位 | 日産/ノート | 73,380 |
2位 | トヨタ/アクア | 66,144 |
3位 | トヨタ/プリウス | 64,019 |
4位 | 日産/セレナ | 56,095 |
5位 | ホンダ/フィット | 47,962 |
6位 | トヨタ/ヴォクシー | 47,702 |
7位 | トヨタ/シエンタ | 45,417 |
8位 | トヨタ/ルーミー | 44,923 |
9位 | トヨタ/フリード | 43,984 |
10位 | トヨタ/ヴィッツ | 42,529 |
11位 | トヨタ/C-HR | 40,998 |
12位 | トヨタ/カローラ | 39,607 |
13位 | トヨタ/タンク | 38,001 |
14位 | ホンダ/ヴェセル | 32,737 |
15位 | ホンダ/ステップワゴン | 31,436 |
ノートはe-powerの発売で一気に1位へ駆け上がっており、それを上位独占組のアクアとプリウスが追いかける形に。
これだけ見ると、コンパクトカーのハイブリッドモデルはまだまだ健在である印象を受ける。
でもこの2018年上半期で見た時に、ルーミーとタンクの販売台数を足してみると、、、82,924台。
プリウスやアクアはもちろん、1位のノートの台数よりも上回ってしまうのだ。
今まで1位を保持してきたアクアと遡って比較しても…
最近ではプリウスを抜いてアクアが販売台数1位になる月が目立つようになったが、そのアクアと比べてみても差は歴然。
販売年月 | アクア | ルーミー &タンク |
---|---|---|
2017年4月 | 7,762台 | 10,893台 |
2017年5月 | 7,551台 | 9,716台 |
2017年6月 | 11,453台 | 12,957台 |
2017年7月 | 12,005台 | 11,998台 |
2017年8月 | 10,870台 | 10,239台 |
2017年9月 | 12,896台 | 13,312台 |
2017年10月 | 10,031台 | 13,154台 |
2017年11月 | 9,985台 | 14,099台 |
2017年12月 | 11,660台 | 12,836台 |
2018年1月 | 8,741台 | 12,253台 |
2018年2月 | 11,167台 | 12,820台 |
2018年3月 | 14,778台 | 16,000台 |
ルーミー&タンクの合計販売台数は2017年9月以降、アクアよりも全て上回っている。
ルーミーとタンクの販売台数を別々でカウントしたらもちろんまだまだ追いつかない。
ただ、ルーミー&タンクは知っての通り兄弟車で名前が違うだけのほぼ同じ車。
ヴォクシー&ノアみたいなものだが、事件なのは今まで絶対王者だったアクア、プリウス、のし上がってきたノートをも上回る販売台数を叩き出している点、これに尽きるだろう。
ガソリン車だけなのにハイブリッドを上回る事態に

ルーミー&タンクは2018年9月現在でガソリン車のみのエントリー。
トヨタのお家芸とも言えるハイブリッドを発売していない。
著者は直感的に、「これ、確実に確信犯でしょ?」と感じた。
ルーミー&タンクの発売時期は2016年11月9日なので、発売当初からハイブリッドが搭載されて無くても多少違和感は無く感じる部分はあるのだが。
だけど今トヨタ車で今どきハイブリッド化してない車で、しかもこれだけ人気が上がってきてる中での「様子見」を決め込んでいるとも取れる姿勢ってどう考えても違和感。
もちろん今後ハイブリッドが出る可能性は十分にある。
まずは様子見でガソリン車出してみて、売れてきたらハイブリッドも、、、という選択肢はトヨタの中で確実にあるだろう。
何れにしても今猫も杓子もハイブリッドハイブリッドになっている状況の中で、ガソリン車であるルーミー&タンクに人気が集中するにはちゃんと理由がありそうだ。
詳しく調べた結果、その理由は下記3つに集約されると言っていい。
売れてる理由①とにかく安い。それでいて燃費も良好。
なんと言ってもまずは価格の安さがウリ。最廉価版であれば車両本体は146万円で設定されている。
グレード | 車両本体価格 | 燃費 |
---|---|---|
X“S”/X | 1,463,400円 | 22.0~24.6km/L |
G“S”/G | 1,620,000円 | 22.0~24.6km/L |
G-T | 1,803,600円 | 21.8km/L |
カスタムG“S”/カスタムG | 1,771,200円 | 22.0~24.6km/L |
カスタムG-T | 1,965,600円 | 21.8km/L |
ちなみにアクアの最廉価版は178万円(燃費は38.0km/L)なので、約30万円高くなる。
これはハイブリッドエンジン分が上乗せされた価格になっていることが容易に想像できる。
もちろんハイブリッドだと「高い燃費」という最大のメリットが挙げられるわけだが。
著者が調べたハイブリッド上乗せ分をペイできる年数は、年間平均走行距離1万キロ(国土交通省調べ)の場合、約9.7年かかることに。
年間2万キロなら約5年でペイ、3万キロなら約3年でペイできるので、距離を沢山乗る人ほどお得になる。
逆に、年間走行距離が1万キロ未満の場合、最終的にはガソリン車よりも高く付いたまま乗り換えの時期を迎えるケースになりがち。
ハイブリッドはもちろん色んなメリットがあるが、やはり消費者としては目先の購入価格がどうしても気になるのは致し方なしと言ったところだろうか。
ハイブリッドで様々言われているメリット・デメリットについてどこよりも深く検証し一般論と全く逆の見解を述べているのが下記記事。

アクアとの値段比較で下記のような記載もあった。
トヨタ系の販売現場でセールスマンに聞くと、「ルーミー/タンクは非常に売りやすいクルマ」という評価が多い。たとえばハイブリッド専売車である「アクア」のSグレードにHIDヘッドランプとサイドバイザー、フロアマット、カーナビを装着すると、支払総額は約230万円となる。一方でルーミーのGに同じようなオプションを装着した支払総額は約200万円。
理由その②広い。家族で使える居住空間に加えてスライドドアも楽ちん。

昨今のミニバンブームでワンボックスに乗る人も増えているが、ミニバン最大のデメリットはやはり価格。
トヨタの売れ筋コンパクトミニバン「シエンタ」でも最廉価モデルは218万、それよりも上のサイズを狙うと平均300万円はかかる。
費用を考えると、その半分近くで買えて更に大人5人が乗れる広い室内を使えるルーミー&タンクはやっぱり魅力的だ。
外観については人それぞれ好みが分かれるところだが、最近の傾向としては外観よりも内装や使い勝手重視になってきていることを踏まえると、広さに加えてワンタッチで開くスライドドアなども魅力アップのポイント。
シートアレンジ次第で荷物も沢山詰める。
理由その③ブランド力。世界レベルの安心感トヨタならではの販売力と抱える顧客数

「日本車といえばトヨタ」と言った代名詞的存在であることは今なお根強いし、それ故に抱えている顧客数も他社を圧倒している。
「トヨタなら安心」と考えるのは、日本のみならず世界共通と言っていいだろう。
ルーミー&タンクは元々bBの後継車でそのブランド力もあり。
またスズキでヒット車種となった「ソリオ」の存在も確実に大きいと言える。
2016年に月間平均台数4000台をスズキが売った、という実績はトヨタの目を光らせたはず。
またライバル他社を見ても、ホンダは「N-BOX」のブランドを崩してまでこのジャンルに入ってこないだろうし、日産もこのジャンルにはまだ入ってきていない。
そしてスズキやダイハツなら余裕で勝てる、といった勝機をトヨタなら確実に見出したはずだ。
ハイブリッド車の魅力が徐々に落ちてきている?

友人の営業マンが言うには、「最近徐々にハイブリッドが売りづらくなってきている」とのこと。
詳しく聞いてみると、事の真相はこう。
例えば最近だとセレナe-powerやステップワゴンハイブリッドが発売されて話題を呼んだ。
ただ、初めは顧客も興味を持つけど、やはりハイブリッド化による上乗せされた価格を見ると、購入時に躊躇してしまう人も少なくないようだ。
また、ヴォクシー、ノア、エスクァイアについても当初はハイブリッドがよく売れていたが、実際乗ってみるとそれほど燃費の違いを大きく感じられないユーザーも多く、現在ではガソリン車のほうがメインになってきているそう。
高い車両本体価格に加えて燃費もそこそこであれば「ガソリン車はいかがですか?」と勧めることで、実際販売に繋がることも多いようだ。
全業種共通だが、やはり営業力というのは販売数にも直結する。売りやすい車を営業マンは売る=ハイブリッドよりもガソリン車に移行してきている状況が出てきているってことだ。
さらにルーミー&タンクは価格も安いため、売れ行きに拍車がかかっているのが現在の状況だと思う、とのことだった。なるほどと。
ルーミー&タンク、それぞれの現在の値引き額はどれくらい?
恐らくこれから「ルーミーを買いたい」「タンクを第一候補で考えている」といった方がこのページに来ているだろう。
実際に買う際にどれくらいの値引き幅になっているのかは気になるところではないだろうか。
実績ベースで現在の値引き状況を一覧にしているので参考までに。
購入時期 | グレード | 車両 値引き | オプション 値引き | 地域 |
---|---|---|---|---|
2018年9月 | GS | 10万円 | 20万円 | 千葉 |
2018年8月 | カスタム G S | 20万円 | 0万円 | 大阪 |
2018年4月 | カスタム G-T | 25万円 | 5円 | 神奈川 |
2017年12月 | カスタム G-T | 15万円 | 5万円 | 群馬 |
2017年11月 | カスタム G-T | 10万円 | 15万円 | 神奈川 |
購入時期 | グレード | 車両 値引き | オプション 値引き | 地域 |
---|---|---|---|---|
2018年9月 | カスタム G-T | 10万円 | 5万円 | 東京 |
2018年8月 | カスタム G | 20万円 | 10万円 | 埼玉 |
2018年8月 | カスタム G S | 20万円 | 10円 | 千葉 |
2018年8月 | カスタム G-T | 5万円 | 15万円 | 埼玉 |
2018年3月 | X 4WD | 15万円 | 10万円 | 広島 |
謎にこんな投稿もあった。
まさかの半額値引きとは…
たまたま買い物に来たら免許取る前から欲しかった車が特別価格で半額になっててしかもカスタムグレードのだしナビもETCもいいやつだし
欲しかった安全装備が全て標準装備されてるしもうこりゃ買うしかないってことで新車契約?????わーい
? はるか@SSC (@haruka22_ssc) 2018年9月15日
やばいよね( ; ; )??
TOYOTAのルーミーって車!
しかもオプションも半額なの!!
希望ナンバーも無料にしてくれたし????
? はるか@SSC (@haruka22_ssc) 2018年9月15日
ルーミー&タンクオーナーたちの口コミ投稿
本日無事納車しました??
新しいルーミーちゃんこれからよろしくね!
1か月だけお世話になったアクアありがとうでした!
そして、ボロボロの事故車になっちゃったルーミーちゃんうちの身を守ってくれてありがとうね。ボディーがなかなか強かったおかげでうちは大怪我しなかったよ。ほんとにありがとう pic.twitter.com/EKcR81zivp— みぃちゃん? (@tgxrina) 2018年9月19日
内装ばっか弄ってる自分でも参加できるオフ会ってあるのかな#ルーミー#ルーミー乗りと繋がりたい pic.twitter.com/702uNot5TT
— ?Taketo? (@T3K2T5) 2018年9月18日
だいぶ雰囲気変えたし新しいパーツ付けるまで固定ツイ更新! フロントだけモデリスタがついたジャスティー乗ってます 車好きの人などよろしくです( ・?・)? ?? #ジャスティ #JUSTY #タンク #TANK #ルーミー #ROOMY #トール #THOR pic.twitter.com/kei7jsZiIo
— ふじ@JUSTY (@CARJSK) 2018年9月15日
今日 我が家に新しい仲間が????
これからよろしくね????#タンク pic.twitter.com/v6bHppszIM— Ekiben (@ekiben_japan) 2017年8月11日
さいごに
ハイブリッドカー人気が終わったとかは決して無く、これからも当分の間どんどん売れ続けていくだろう。
最近では水素自動車「MIRAI」も登場し、エコカーブームは更に加速の様相を呈してきている。
ただ、その分価格は上がっているため、どうしても安いガソリン車に流れる人も多く、事実ハイブリッドを超えてきている車種も目立つ。
そんな中でルーミー&タンクの存在はやっぱり大きい。そして強い。
価格的に大幅値引きは難しいところだが、それでも売れ筋人気車種であることも手伝い営業マンもそれなりに頑張ってくれるはず。
安く買うための交渉条件として、一括査定を使って下取り査定額を引き上げることができれば、値引き以上の差額を出せるので、下取りに出せる車を持っている人はやはり強いだろう。
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